KanaiSatoru

オールドのKanaiSatoruのレビュー・感想・評価

オールド(2021年製作の映画)
4.0
OLD(オールド)を観ました。

僕の好きなMシャマラン監督作品です

1999年にシックスセンスで出会ってから、もう20年以上になるんですなぁ。月日が経つの早いですな😆

さて予告だけ見て、ある海岸で我が子がどんどん成長してしまう話だとしかインプットぜず、ほなどんな話かさっぱりわからず見に行ったのですが、着想は面白いけど、どうやって着地させるのか?
そこが気になる!

見ていくと子供だけでなく大人もすごい速さで歳を取るんだけど、まあ見た目が大きく変わらなあから気づかなかっただけ。
恐らくその海岸でだけ時間が早く進むってことなんだろうな、とそんな推測で見ていくわけですが、どうしてそうなるの?
どうして脱出できないの?
という疑問が当然湧くわけです💦

そこに行けたんだから脱出できるでしょ、と。

ところがそう単純な話ではないんですね😅

このあたり、着想はいいけど、いろいろツッコミどころが出てくるので、その疑問を順番に潰すために後から設定を変えたんじゃないか?
と思える部分が気になったな💦


ここから少しネタバレに触れるのでご注意!


例えば海岸から出れない理由なんか、理由になってなくて、そうだからそうなの!としか言えない設定。
この辺は雑というか、ちょっとズルいと思う人もいるのでは?

そして最後のオチですが、僕は割と好きですね。
単なる不思議な話でした、ということではなく、そういう落とし方にしたのね、なるほど!
という感想です。

ちなみに僕が少し残念だったのは、その海岸にいる人たちの間で、いろいろと事件が起こるわけですが、人間は極限状態で本性が出ると言われていて、伝説の映画「ミスト」なんかでも、極限状態で人が狂っている様子が描かれるわけですが、この映画も、同じ様相を辿るんです。
そこがちょっと残念でならない💦

そういう映画は、もうたくさん見てきたので、またそういう展開か?となる。

でもね
よくよく考えると、描きたいのはそこじゃない、ということが分かります。

心に訴えるテーマがしっかり用意されてます。
単なるホラー、スリラー映画で終わらないのがシャマラン監督です。

そのテーマは、どんな恐怖よりもずっと強いもの、それは「老い恐怖」というのもの。🥹

化け物や異星人や狂った人間、映画には様々な恐怖を描いたものがあるがこの映画における恐怖はまさに「老い」です。

人は、いつ死ぬかわからないのに、死ぬまでの時間をなんとなく過ごしている人も多く、関係が崩れた人との関係を修復することもなく、時間は無限にあると勘違いした日々を過ごしている💦

そんな我々に、時間というものを改めて考えさせるために作られたテーマだと思いますね👍

シャラマン監督は、超常現象を扱った恐怖が多いのですが、そこの裏にはしっかりしたテーマがあって、自然と言うものに必死で抗う人間の様を描く😏

なんだか神様にでもなったような視点で、人間てくだらないでしょとか、人間なんてちっぽけだねとか、
あるいは、人間て愛おしい存在でしょ?と言っている。

というわけで、オチは話せないのですが、劇中の夫婦の姿をみて、自分なりの人生を見つめ直してみましょう。
という映画です。

自己満足と推奨度を考慮して80点。
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