まりぃくりすてぃ

SEASONS OF WOMANのまりぃくりすてぃのレビュー・感想・評価

SEASONS OF WOMAN(2020年製作の映画)
3.4
オムニバスながら、作者は “接着剤で束ねる意志” を鮮明に出してきた。成否は何ともいえない。いっそ四話を同一ヒロイン名で統一してもよかったんじゃないかな。
全体として、ヒリヒリの作り方が巧い。

『笑女クラブ』2.9点
板書される数式に何だか圧倒されちゃった。中学生と思ってたら高校生だった。ヘンな子たちだけど、いそうにないタイプではない。

『彼女のひまわり』1.7点
自主映画界の若手最強女優・根矢さんをこんなにも使いこなせない硬い台本と強引な演出に、びっくりした。プロット的には悪くないのだが、いろんな点がゴツゴツしすぎ。

『AUTUMN OF WOMAN』3.9点
ここからが断然! 身につまされるリアリティーあるし、各演技とか、いろいろ堪能しちゃえた。(こんなにいいんだから、前の二編は要らなかったんじゃないの?)

『雪の女』4.2点
根矢さんに吸い込まれる!! ほかの演者たちも良いめ。左遷されてからの職場描きが、何というか大変に有意義。
ボリウムもある。でも、生き方に困ってるヒロインたちがやたらと「私たち女性は」「私たちは」という連帯先行語を発するのは、諸刃の剣だよ。重厚に女性(たち)に光を当てつづければ、言外にそういう “複数形” はムリなく立ちのぼってくるんだから。。
きっと老若男女誰にもツライ社会が今後もずっとだけど、できるだけ大志を抱いて歩みましょう。「真に輝く女性になるために、雑誌社を独力で立ち上げてみせるわ」とか言ってくれればもっと応援できる。いいじゃん、ホラふいていきましょうよ。
真面目で丁寧で(たぶん)渾身の、“完結編”。


雪シーンのさかんな挿し入れ等、“四編のための接着剤” が後半目立ったね。 “一作” としての完成度への満足は微妙といえば微妙だけど、心への温かいスープ(チキンオニオン系)みたく、かなり後味よい。後味加点あり。

エンドロールにイリエナナコ・野本梢・猫目はちといった予想外の名前を次々見つけて嬉しくなった。良い映画を創ろう・良い映画に係わろう、って地球の一隅でガンバりつづけてる人たち、みーんな、ヤッホー! 私は私で自分のことをこれからもっとガンバる。