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アスワンのumihayatoのレビュー・感想・評価

アスワン(2019年製作の映画)
5.0
"麻薬使用者は射殺していい"
このドゥテルテ大統領の方針のもと、暴走しだした警察権力。
映画ではなく実際に起きていること。

麻薬の売買や使用に手を染めてしまうその多くは貧困層で
金を稼ぐためや、仕事しかない日常、未来の見えない生活への不安からその道に入ってしまう。
そして捕まったら最後
人権などない様に扱われる

確かに麻薬の使用は
「良くないこと」だろうし、法律に基づいて裁かれるべきであるが
作中でも言及されている通り
麻薬を精製し販売している組織
潤っている「金持ち」は何のお咎めもない

「羊が狼に食べられてしまうから
羊を先に殺しておこう」
では元も子もないだろう

狼が別の動物を持ってきてくれるとか
代わりに家を守ってくれるとか
癒着を考えずにはいられない

権力は暴走する。
政府も権力だが、警察ももちろん権力だ。
検察も。
権力がいつも「正義で公正」とは限らないし
国民の為の法律や制度や選択肢を作ってくれるとは限らない。
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