歓迎されない「何か」を受け止めてくれる今作は、
スクリーン越しの葬儀に参列した気分。
まぶしすぎない明るさ
おとぎ話なのだとわかる特徴的なキャラクター
スクリーン越しに匂いを感じられる食べ物
監督の持ち味が今回も惜しみなく、たっぷりだった。
理解されにくい感情や背景や方法など、歓迎されない「何か」がハイツムコリッタに住んでいた。
それらすべてが生きていて、それらを受け止めたとき、ゆっくりと飲み下すような葬列が進んだ。
エンドロールは葬儀に自分も参列しているかのようで、ほぼ満席に近かった座席から立ち上がったのはひとりだけ。
きっと座っていた人たちも、自分の中の「何か」の葬列に参加していたのだと思う。