しょうの

川っぺりムコリッタのしょうののレビュー・感想・評価

川っぺりムコリッタ(2021年製作の映画)
4.0
先日鑑賞した『アイ・アム・マキモト』は死者の生きた道程をめぐる物語であったが、本作は死者の家族の物語であり、そこには不思議な縁を感じられる(両作品とも満島ひかりが出演しているのがおもしろい)。

上映時間のほとんどを占めているのではないかと思う食事のシーンは生を感じさせ、捌かれたイカや死体に群がるウジは生々しい死を連想させる。

ゆったり穏やかな富山の田舎の景色の中にあるからこそ生と死が力強く感じられるのだろう。

4つのプレートの上に位置する日本は地震や台風といった災害が常に隣り合わせである。いつ今の生活が崩れ去るかわからないからこそ、日々のささやかな幸せを見つけられる目をもつことが重要なのではないか。

そんなことを鑑賞後に行ったスーパー銭湯で考えている。

風呂上がりの牛乳を買おうとして落としてしまった100円玉。
落としたのではなく、100円を拾ったのだと考えたら少しだけいい気持になった。

【今日の一言】
子ども役の二人は富山に暮らす普通の少年少女なんだね。すごい!
すき焼きを食べるシーンで男の子が気を使ったのか全然お肉に箸をつけてないのがとても愛おしかった。
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