おさも

Malu 夢路のおさものレビュー・感想・評価

Malu 夢路(2019年製作の映画)
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エドモンド・ヨウ監督の死者の記憶との対話、残された人々の交流、というモチーフ、映像の質感ともども大好き。監督作品はYouTubeでいくつか観られる。『金魚』など。

今作では母と妹の関係、母と姉の関係、妹と姉の関係、それぞれのしこりがそれぞれの関係に影を落としている。母も妹もいなくなってしまった今、妹の見えなかった生前を追って行くロードムービーであり、記憶と幻想との対話譚。

前半では姉妹の故郷のマレーシアのつよい日の光と海のくっきりした青のなかで目が眩むような、めまいのような映像で語られるのに対し、後半の日本に妹の足跡を訪ねるパートでは秋の侘しさや墓の質感、伊勢崎の場末感の中で語られる、その対比が面白い。さらに最後のシーンは冬に止揚されている


あんまり知られていないのだろうが、今秋の吉本ばなな原作の新作も楽しみなのである。
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