時代的には30年くらい前の話だと思うが、記憶喪失になった男が社会適応のプログラムとして定期的に送られてくるカセットテープに吹き込まれたミッションをこなし、その記録としてポラロイド写真を撮っていくことになる、というお話。
ポラロイド写真を撮っていくのは、記憶を取り戻すためではなく、新しい自分の人格をつくって社会に適応していくためのもの。
SNSにアップするかどうかは別として、特に若い人はスマホでいろいろな思い出を写真に残している。このことで自分の好きなものや価値観のようなものが自覚的で明確になっていっているような気がする。作中でポラロイド写真を撮るということはそういうことなのだろう。