ユカリーヌ

林檎とポラロイドのユカリーヌのレビュー・感想・評価

林檎とポラロイド(2020年製作の映画)
3.7
ギリシャ映画。
髭の男は、バスの中で突然に
記憶を失う。

記憶喪失が蔓延している世界。
男は、記憶を取り戻す治療ではなく、新しい人として、生きるプログラムを与えられる。

カセットテープにふきこまれた
“ミッション”を毎日こなし、
ポラロイドにその一瞬を“記憶”
していく。

ちょっと不思議な雰囲気で、
シュールでもあるが、
ユーモアも含んでいて、
風刺も効いているような作品。

台詞も少ないので、
感覚的にとらえていく感じ。

最後の方にきて、男は昔の
記憶の断片を感じる。
男は、忘れたのではなく、
忘れたかったのか。

自分の意思とは関係ない行動は、果たして自分の“記憶”と
言えるのだろうか。

ポラロイドは、SNSの
メタファーともとれる。
切り取られた一瞬は、事実の一部ではあるが、真実とも違う。
ユカリーヌ

ユカリーヌ