ジャックダニエル

林檎とポラロイドのジャックダニエルのレビュー・感想・評価

林檎とポラロイド(2020年製作の映画)
4.1
映画館で見て、数日経った今でも思い出すだけでまだ温度がする。

SFコメディの要素もありながら、ケイトブランシェットの言葉を借りるなら悲しみの核を持ち続けていた。
突如記憶喪失になる奇病が蔓延するある時代のある国の話。治療に使うのはポラロイドカメラ。見ている人は主人公と一緒に新しい人生を始める。一緒に不思議なミッションをこなしていく。
彼は誰なのか、彼はなぜ林檎を食べるのをやめたのか、なぜ部屋に瑞々しい林檎が一つ残っていたのか。正解がなんだろうとどうでもいいが、こうやって思い返して、考えて考えて主人公の彼へ今だに優しさを向け続ける。観た人みんなが少し暖かく優しくなれるこんな映画が観たかったんだと思う。