このレビューはネタバレを含みます
こう言うミニシアター系の映画は久しぶりに観た。
「新しい自分プログラム」の実践は中々シュールでクスッとするし、果物屋の店主がくどい位毎回同じセリフを言うのも笑った。
音楽テストであれ?と思い、犬の名前を呼んだ時、番地を間違えた時にはもう彼は記憶喪失では無いと確信した。何故記憶喪失の振りをしたのかがラストの妻の墓参りで明らかになる憎い構成。
妻を亡くした喪失感で、彼女を含む記憶を消したかった男がラジオのニュースで「記憶喪失者を救う試み=新しい自分プログラム」を知り、新しい自分になりたかったのだと分かった時この感情は世界共通のものなんだと改めて思った。
そしてこれは今まで色んな作品のテーマにもなっているが、新たな切り口を見せてくれたことに感動する。
ケイト・ブランシェットがプロデューサーを務めたのも納得の作品。人に勧められるかと言えばそうでは無いけれど、こう言う作品を観たいと思っていた。