kissenger800

COME & GO カム・アンド・ゴーのkissenger800のレビュー・感想・評価

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在留資格でいうと技能実習/留学/観光/もしかすると技能/もしかすると興行/もしかすると特別永住者。
ぐらいのひとたちが次々出てきて、国籍でいうと中国本土(含香港)/台湾/韓国/ネパール/マレーシア/ベトナム/ミャンマー、ですか。
ものすごく目がチラチラしたんですけど舞台が大阪梅田、というか中崎町*で(と思っていたら突然豊中が出てきたりもする)地元でもなんでもないけど自分には土地勘あるエリアだけに、いちいちおおリブマックス。とかおお天六。とかうるさく反応してました。せいじが出てきた瞬間に俺のなかで鳴り響く警報、雀々に機能しないのは失礼だな。とか私的お笑いスタンプを何個も押せるやつ。

*東京でいうと距離的には新大久保ですが、あの無国籍感よりは西新宿ぐらいのぼんやりした「え、ビル街ですよね」「住んでるひといるんですか」って感じの町です。ん、その意味だと北新宿がもっとそれっぽいか。

本作最大のハイライトは北京出身者と台北出身者がまあまあ酔っ払いながら対話できるのは日本だから。
っていうこれは本当に21世紀において俺たちだけが果たし得る最大の世界貢献だと思っている居酒屋シーンなことは衆目の一致するところでしょうが、両者をほんのりつなぐのはジャパニーズ・エロっていう、あそこから逆算して別の映画を作ってくれないかね、ぐらいのtipping pointでした。画面上はイケてないおっさんふたりのツーショットだったけどさ。
(ちなみに次点はなぜかコミックリリーフを務めさせられる韓国勢。終始申し訳なかった)

仕事の関係で8年、アジア各国からやって来るひとたちを取り巻く情勢をウォッチしているのですが、ここまでガチな作品とは予想していませんでしたね(入管インタビューとか日本語学校のくだりとか)。
コロナ禍以前の日本の総合スケッチとして限りなく正確なのは、最近だとたとえば来日観光客復活、ってニュースでタイ人の爆買い風景が話題になり、タイの「富裕層は金持ち」的コメントが支持されていたんですけど、それもうぜんぜん違って「中間層の厚み」でもタイに劣後してるのよ本邦。その辺に鈍感な社会もキッチリ描かれていて、なんていうの、いいツラの皮?
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