ねぎおSTOPWAR

チャンケ:よそ者のねぎおSTOPWARのレビュー・感想・評価

チャンケ:よそ者(2020年製作の映画)
4.2
東京国際映画祭2020
この映画観るとジャージャー麺が食べたくなります。
そしてすごく象徴的なんですよねー。
この映像が出てくる度、見つめる気持ちが変容しているというね!
見事なジャージャー映画!


・・・えっ?へーーっ。
今監督のトークセッション観てますが「チャンケ」ってジャージャー麺の意味もあるそうですよ!

****
これはチャン・チーウェイ監督の経験を踏まえたフィクション映画。
ある意味政治的な孤児とも言える話。
「いったい自分は何人なのか?」
監督自身は父台湾人、母韓国人で南アで暮らしていたそうです。
常に自分はアウトサイダー。
あと主役二人のシャツにプリントされた〈幹〉の文字、これもチャンケのメタファーのひとつだそう。中国語だと発音的にFUCKの意味もあったり、木の幹という意味など、観た人がそれぞれのバックグラウンドから解釈すれば良いし、そういう狙いだとのこと。
****

まだ日本公開は未定だそうです。
以下は中身に触れて書きますね。






随所にね、生まれや背負うもののギャップが痛々しいんですが、でもそこでの優しさや愛や、理解や・・。普遍的な父子の和解のストーリーとも言えるわけですが、カラオケで歌ったのはおそらく父から教わった歌だし、話題も父、スイーツも父の受け売り。
そしてクライマックス、あの"夢" の部分。
映画の中ではついに父子が胸の内を明かすシーン。
『透明人間』はやっぱり父だったことや、たばこなんてお見通しさ!ってね。
「お前の名前は・・」と中国語読みと英語読み→「ブルース・リー」笑
それを受けて「名前でお前という人間は何か変わるのか?」と。
だからあそこだけダッチアングルだったのかな?あー聞けば良かったな。
監督からするとあそこは、夢かもしれないし、夢の中で魂が本当に出会ったのかもしれないしとのことでした。

だからジャージャー麺って彼自身でもあるわけですよね。
中国にルーツのあるメニュー。
でも味は中国のそれと韓国のそれとはまったく別!
中国でもあるし韓国でもある。
で、途中混ぜ合わせるだけの映像もあり、ラストは意を決して食べるシーンまで達するわけです。
彼が自分のオリジナリティを受け入れるまでとダブる。

これはなかなかに面白い映画だったと思います。
台湾映画・・って言うよりチャン・チーウェイ映画か!
これからも観ていきたいと思います!