大鳥涙

皮膚を売った男の大鳥涙のレビュー・感想・評価

皮膚を売った男(2020年製作の映画)
3.5
画作りの工夫とユーロサウンドが好み。芸術の自由を巧みに描き、一方で社会で生まれる矛盾は論理的に解決しようとする。そこが課題なのだ。
作品は分かりやすく大衆受けもする作風だった。皮膚に迫るクローズアップや、青いというより寧ろ水色の目の強調には、この画は人間だという証がある。皮膚は身体の一部だが、そこに生命力が息づく姿をカメラが捉えている。そしてそれこそが、この物語の肝になっているんだなあ。人身売買なのか、芸術作品の取引なのか、答えは映像の中に閉じ込めて、映画表現としてはなかなか侮れない作品。
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