やりたいこともわかるし、おそらく主張にもほぼ同意できそうだけど、いろんな要素がとっ散らかってたというか、思ってたのと違ったというか。
面白そうだった「45歳で未婚だと〜」が途中から関係なくなるし、同調圧力なり全体主義的なところの描写も少しぬるくて、別に強制収容所に入れられる訳でもなく、そもそも一つの自治体の話で引っ越せばいいのね、とか。
(おそらく「嫌なら日本から出ていけ」を想起させる狙いがあるのはわかるけど)
たぶんみんな偽装結婚し始めるだろうし、それを見抜くための監視カメラや性交渉の回数を証明しなさいとか、どんな変態的なディストピアが待ち受けているのかワクワクだったのに、単なる田舎の相互監視だってさ(じゅうぶんイヤだけどさ)。
あるいは「グリーンカード」的な話の展開もできたはず。
にも関わらず、結局、彼の方の話として着地してしまうのは何なんだろう。
「権力のない機関説」に近い自分にとっては、実際の彼の方のプライベートやどんな「人間」かにはあまり興味がないので、観たいのはそこじゃない感が。
あんまり心揺さぶられなかったし、思考実験にもなってないので今さら考えさせられることもなかったなぁ。