モスマンは実在する

アメリカン・マーダー: 一家殺害事件の実録のモスマンは実在するのネタバレレビュー・内容・結末

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このレビューはネタバレを含みます

サスペンスも糞もない現実を突きつけられてうろたえる感じ。面白味のあるサイコパスでもなんでもない奴がつまらん動機で人を殺す、というのが日常的に起きている殺人。残念だけども、これが人を殺すということなのだろうな...というドキュメンタリー特有の重さが半端でない。
 本作は夫婦関係がこじれて殺人が起きるのだけども、そこまでコミュニケーション不全になっていく過程の描写において、夫側に共感できてしまって自分としても嫌になった。自分は男だからか、夫側に立って「自分だったらどうするか」という点から観た。

特に感慨深かったのが、夫が自供するまでの周囲とのやり取り。フィクションだったら、ここで警察をぶん殴って逃げるだろうな、ここで感情的な振る舞いをするだろうな、というポイントをことごとくスルーしてあっけなく捕まる。最初に警察が家を訪れるところから挙動不審で不安感半端ないのだけども、仮に夫が犯人だとしていつ逃げるのか?いつ警察官を攻撃するのか?というハラハラはあった。

逮捕する際にも手錠をつけるのではなく、腰に拘束ベルトのようなものをつけるだけなの意外。そして、それも動画に残っているという...