Ren

映画大好きポンポさんのRenのレビュー・感想・評価

映画大好きポンポさん(2021年製作の映画)
3.0
相次ぐ絶賛の波に押されて、観てきた。楽しめたけど、個人的には手放しの傑作!とはいかなかった...。

前提として、実写『バクマン。』とか『映像研には手を出すな!』のようなクリエイターが創造するシーンをファンタジックに観せてくれる作品が好きなので、そういう意味でのアニメ表現は凄く楽しめた。切れ!のとことか。巷に出回っているあの名作映画もこの名作映画も、苦渋の断捨離の末に完成したのかと思いを馳せてしまう。

序盤の、主人公がころころ入れ替わるような見せ方も良かった。

ただ、無理やり90分に纏めなくても良かったよーとも思った。なまじ今作がシネフィルに刺さったお陰で、「映画90分神話」みたいな部分だけが独り歩きしている現象はいただけない。映画の尺=外側 の話ばかりで、映画の面白さ=中身 についての議論が明らかに少ない。

ポンポさんの「映画は90分以内!」というこだわりはメタ的に踏襲するのに、「泣かせる映画で感動させるよりおバカ映画で泣かせるほうがかっこいい!」というこだわりは踏襲しないんだ、とか。デザインとか外側はポップだけどやってること結構シリアスなので。

結局、映画を撮影・編集しているシークエンスが1番面白かったので、そこをもっと尺使って観せてほしかったな〜。製作における監督という存在の立ち回りを意識させてくれて興味深かった!
映画に人生を変えられた人、映画に救われた人は、この映画こそがそういう存在になるかもしれない。

あとこれは苦言だが、クリエイターの執念・プライドを表現するために過労を持ち出すのやめませんか?社内会議を中継するシークエンス、普通にコンプラ的にヤバすぎて一気に脚本が崩壊していたのも気になりすぎた。

余談っちゃ余談ですが、「ポンポさんが来ったぞ〜」がなんか苦手だった...。決め台詞として成功していたとも思えないし、ちょっとスベってる感があって見る度に、うっ、ってなったのは自分だけじゃきっとないはず。
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