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映画大好きポンポさんのjamのレビュー・感想・評価

映画大好きポンポさん(2021年製作の映画)
4.4
夢の実現を描くために足りなかったものがある


私たちが映画を観て、わくわくしたり感動するのはこういうことなんだな…

例えば、この映画の主人公、映画オタクのアシスタントプロデューサー、ジーン(なんと声は清水尋也くん!)がそうであったように、社会にうまく適合できなかったり
ヒロインのナタリーのように、オーディション30連敗だったり
はたまた、学生時代から何でもうまくやれてきたけど社会に出て挫折を味わうアランのように


ミラクルプロデューサー、ポンポさん(ヘマしたら甘いモノ買いに行かされますよ♪)の抜擢で初監督作を撮るジーン
映画ファンならばそのひとつひとつの過程でのこだわりを観るだけでも胸躍るというもの
いよいよ編集も大詰めという段階

映画の主人公が夢を叶える
それを描くために足りないものがあったことに気づく…


それは
夢のために切り捨てたものをきちんと描くこと


そう
登場人物に私たちが共感できるのは
挫折や苦難を乗り越えて、諦めない心で
大切なものを切り捨てて、夢を叶えるというところに彼らのリアルがあるから


そしてそのことは
撮影しているジーンやナタリー、それを支えるアランの物語ともリンクする
さらには
観ている私たち、それぞれの物語にも



この"90分"の映画を観終わる頃には
ポンポさんが求めていた心に響く宝物が
きっと私たちにも届いているはず



ようこそ
夢と狂気の世界へ
jam

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