映画館に飢えた生活でしたが、久しぶりに足を運んで観たのがこの映画で本当に良かった。アニメ映画ではありますが、テンポ、音楽、シナリオ、映像、どれを取っても抜け目なく完璧で、底しれぬ映画のパワーを感じました。映画好きをタイトルに持ってきているだけあって、アニメでは普通見られない実写映画のようなカット割りの工夫が最高！とにかく爽快感が素晴らしく常に最高速で駆け抜ける90分です！作中の人物は全員が善人で清々しい！
ポンポさんの台詞の「90分より長いのは全部嫌」というのは、個人的にはジャンルによると思いますが、特にこの映画のようにハイテンションを貫く映画には90分が一番似合うなと実感させられ、説得力の塊でした。
ポンポさんという名前の映画監督が題についてますが、その実、主人公はポンポさんのアシスタントの男の子が映画監督として大成するサクセスストーリーです。映画とは皆チーム一丸となって撮った映像を心を鬼にして切り捨てさらに凝縮して出来上がったもので、主人公が悩みに悩んで切り捨てていくシーンは胸アツです。どんな映画にも視聴者が感じる以上の作者たちの愛情がこもっているのだなぁと思い感動しました。
声優の中では、ヒロインの声は唯一馴染まず、アニメの世界で一人輪郭とくっきり浮いた棒声をしています。しかしこれは映画の中でも実際にろくに演技レッスンに通えていないけど、女優に憧れデビューを目指すというキャラクター像にぴったりで、狙ったキャストなのだろうと冒頭から感じていました。映画の中だけでも声優さんの成長を伺えてうれしかったです。この映画はヒロインのキャラクターと声優さんのサクセスストーリーでもあると思います。
何度でも観たい映画という、映画への褒め言葉としてはこれ以上ない言葉を是非関係者の皆さんに贈りたいです。
