ショウコ

映画大好きポンポさんのショウコのレビュー・感想・評価

映画大好きポンポさん(2021年製作の映画)
4.3
いくつもの「見立て」が重ねてある映画。表面的な上澄みだけを掬っても楽しいんだけど目にフィルターをかけるたび色んな含みが滲み出てくる。面白さよりも巧さにビックリした💮

レイヤー❶監督を任されたオタクが四苦八苦。成長しながら映画を作りあげていく都合の良い激甘エンタメ痛快サクセスストーリー

レイヤー❷俳優、監督、プロデューサー、出資、編集といった普通の人には良くわからんものの役割とか関係性を分かりやす〜く教えてくれるお勉強アニメ

レイヤー❸「夢を追いかけるためには何かを捨てなくてはならない」という重めのテーマを、劇中の様々なメタファーを通して力説してくれるオタ活肯定応援ドラマ



ポンポさんは「スゴ腕プロデューサー女児」として登場しますが、彼女を「映画そのものの象徴」と考えるととてもシックリくる💡主人公は映画に取り憑かれてるんですけど、この感情はそのまま「ポンポさんへの憧れ、恋心」に置き換える事が出来ます

「映画の枠内に収めるべく大切なカットを削っていく編集作業」というちょっと変わったクライマックスも表向きに用意されたもの✅
いい感じになった新人女優との無意識の二者択一、劇中の映画で苦悩する音楽家、経験できなかったキラキラな学生生活やこれまでカットしてきた人生の幸せ…。全ての「取捨選択」を絡ませ同時進行にオーバーラップさせていく話運びはアッサリ見せながらもドラマチック。結果論っちゃ結果論だけど見方によっては涙すら出てきてしまう…。がっつりダイレクトに説明しないのが日本っぽいですよね

かわいらしいキャラクターデザインやギャグ、モニターから風が吹いてきたりイメージ世界の表現など漫画的ハッタリで取っつきやすくされてますが非常にマニアックな作品です。シーンの切り替わりに多くの変わり種マッチカットを紹介してくる楽しさもアニメならでは👏怒涛のテンポと情報量に私は大満足だ



そう言や「下衆の愛」でも映画を悪女に見立ててましたっけ。この先、女性監督が増えてきたらイケメンに例えられる日も来るかも知れない🤔
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