るってぃ

映画大好きポンポさんのるってぃのレビュー・感想・評価

映画大好きポンポさん(2021年製作の映画)
2.9
結論を先に書くと、今の自分には合わなかった。

誰もが楽しめるとても良い映画だとは思う。何かモノづくりしてる人は共感の嵐だろう。特にコンセプトにもなっている「テンポ」が見ものだ。この映画は(物語と連動して)90分ジャストで作られており、観客を飽きさせない演出が張り巡らされている。実際に飽きることなく駆け抜けるようにエンドロールまで進む。「2時間以上の集中を観客に求めるのは現代の娯楽としてやさしくないわ」という劇中のセリフは心からそう思う。

だからこそ、怖いのだ。

「映画大好きポンポさん」はYouTuberっぽい映画だと感じた。

膨大な情報とスピード感に煽られ集中できなくなっている自分たちや、それをターゲットに作品や広告、商品を作るクリエイター。「分かりやすい」ものがどんどん増えている。つまり、考える余白がなくなっている。つい先日、ついに映画を倍速で観るという人にも会った。映画の「間」が耐えられないそうだ。正直全く理解ができない。だって映画はあの間こそが映画なのに...。でもその背景には、若者のこういった感情もあるらしい。

そういう意味では時代を上手く捉えているのだが(実際面白いし)、違和感があったのは正直なところだ。だからそうした作品やそれをリコメンドするアルゴリズムや仕組みに抵抗したい。
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