命のバトンは途絶えない。
北朝鮮強制収容所の恐ろしい実態が描かれた作品。
アニメのグラフィックが苦手で最後まで見終わることができるか不安だったけれど、そんな理由で見ないという選択をしてはいけないように感じて最後まで鑑賞した。
この作品を世の中に出す決断をした制作者の方々と勇気ある証言者の方々には頭が上がらない。隠された国家の裏側を露呈し、リアルを叩きつけてくる本作の価値は計り知れない。
純粋なヨハンが利己的に変化していくのは仕方ないこと。完全な弱肉強食の世界では、自分と家族が生き残ることのみを考えないと、いつ命を落としてもおかしくない。
そんな世界でも、利他的であること、他者を想い、前を向いて生きることの必要性を問いたヨハンの母は素晴らしい人格者だった。
命は途絶えることがない。だからこそ、前に進もう。一生懸命生きよう。日々の当たり前を噛み締めよう。見終わった後、そんな想いで溢れる作品。