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アメリカの友人のalbergのレビュー・感想・評価

アメリカの友人(1977年製作の映画)
5.0
個人的なオールタイムベストワン。
ニコラス・レイ、サミュエル・フラー、ユスターシュ、シュミット、彼らが出ているだけでこの映画を褒めざるを得ない。その意味では構造的に卑怯な映画であるけれど、僕が初めて観たとき、上で挙げた誰ひとりその名前すら知ってはいなかった。

余談だが、この映画の原作者であるパトリシア・ハイスミスは「ラスト以外はすべて気に入った」と語っていたという。物語と主人公の「さいご」が重なるこのラストはメアリー・キャサリン・ベイトソンの有名な言葉を思い起こさせる。

"The timing of the death, like the ending of a story, gives a changed meaning to what preceded it "

一見悲劇的ながら、二度と戻ることができないとわかっているところに戻ろうとしなくていいという意味で、これほど幸福なラストもないと僕は思う。
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