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アメリカの友人のtakのレビュー・感想・評価

アメリカの友人(1977年製作の映画)
4.0
パトリシア・ハイスミスの小説「リプレーのゲーム」を原作に、ヴィム・ヴェンダースが撮った秀作サスペンス。「太陽がいっぱい」でアラン・ドロンが演じたトム・リプレー役は、デニス・ホッパー。

贋作絵画を売りさばく詐欺師リプレーは、あるオークション会場で額縁職人ヨナタンと出会う。ヨナタンが血液の病気で余命わずかだと知ったリプレーは彼を殺し屋に推薦する。妻と子供に金を遺したいヨナタンは、迷いながらもこの申し出を受ける。しかし二度目の殺人が依頼されたと聞いたリプレーは、彼を守ろうと動き出す。

この作品を観たフランシス・F・コッポラが、ヴェンダースをハリウッドに招いた。印象的な独特の色彩、橙色のフォルクスワーゲン、少ない台詞で人物を描ききるセンス。なるほどコッポラが気に入ったのもうなづける。地下鉄、列車、車と主人公たちが移動を始めると、物語が大きく動く。特に列車での殺人シーンは息詰まる名場面。

初めて観たのは1996年。映画生活の中でもヨーロッパ映画に狂ってた頃だったかな。同じハイスミス原作で列車がからむサスペンス映画といえば、ヒッチコックの「見知らぬ乗客」がある。これも見直したくなる。
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