二瓶ちゃん

マーメイド・イン・パリの二瓶ちゃんのネタバレレビュー・内容・結末

マーメイド・イン・パリ(2020年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

人魚というある意味使われ尽くしたテーマではあるが、作品の中だけで一つ人魚の定義が完結しきっていて流石だと感じた。
ある旅の時に偶然立ち寄った映画館で予告編を見て、その幻想的な内容、かっこいい主人公にかわいいヒロイン、直球すぎるタイトル。それに惚れて人生初のレンタル開始後直レンタル。
隣人のおばさんが悪キャラかと思えばかなりいい人。おばさんにもこの物語の後、何か幸せがきますように。そういう意味では、主人公が溺れてたのを心臓マッサージしたおばさんは、ガスパールを死んだ亭主に見立ててるシーンとかあって、
亭主とガスパールの顔がなんとなく似てた理由が釈然とした。
ガスパールから漂う諦め感。恋を失って後ろを向いているようで、でもルラの優しさは跳ね返さないようなこのイケメン具合よ!惚れる
フランス語のせいでもあるんだけど、ルラに「歌うときは静かに」とガスパールが説くあるんだけど、そこの発音がたまらなく可愛いので必見。とにかくルラも可愛いんだなぁ。この女優さんはそもそもも可愛いのだけど、可愛いの演技の仕方がうまいのかもしれない。今後とも要チェックなのである。
ルラが心臓を壊すという科学的要素。ガスパールは失恋で心が壊れていてルラには壊されないという虚構的な感情的要素。
そして恋におちていって死んでしまいそうなガスパール。こういうのがいいんだ。ルラとの別れを機にあの池みたいな海で命を落とすのも悲劇的でありだったが、これはこれで良し。
人魚が魚を食べるのも個人的にはあり。
そしてガスパールの過去の語られ方、サプライザーの存在、そしてルラの存在、それぞれが寓話的で良かった。
普段変な映画を見ることが多いためか、こういう映画を見ると評価が甘め。