オーウェン

クライマーズ・ハイのオーウェンのレビュー・感想・評価

クライマーズ・ハイ(2008年製作の映画)
4.0
原作を敢えて見ることなく映画版を鑑賞。
予告編だけでもずいぶん熱い現場が映し出されていたが、本編ではさらに熱かった。

日航機墜落事故。未曾有の大惨事に新聞記者魂が動き出すのは無理がない。
あうだこうだと新聞社内での葛藤。どれを一面トップに持っていくか。
さらにはそこで広告部分との軋轢と差し替え。
特ダネを手に入れようと現場取材。

さらには事件の真実味と、遺族への想い。この両天秤を又にかけていると、そこには締め切り時間が刻一刻と迫ってくる。

これだけ大人数がいる中で出てくる人間にそろいもそろって頑固者であり、尚且つ血が通っている。これが一番誉めたい点だ。
脇にスポットが当たらない映画がどれだけ多いことか。
この映画は記者全員。誰一人いなくても成り立たない。

その意味で罵り合いぶつかり合いは当たり前。しまいには広告部との全面戦争。
久々に社会派映画で当たりが登場だ。

唯一の欠点は新聞社内で収めたほうが事件の悲惨さがより鮮明になったはず。
親子の葛藤とか山登りになると興味が冷めてしまった。

堤真一はいつも以上に熱く、堺雅人は違う顔を見せ付ける。
個人的には尾野真千子と遠藤憲一が、今まで一番印象に残った熱演で見入ってしまいました。
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