いぬもり

クライマーズ・ハイのいぬもりのネタバレレビュー・内容・結末

クライマーズ・ハイ(2008年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

御巣鷹山の日航機墜落事故を題材として、地元新聞社内部の奮闘を描いている。リアリティと臨場感がすごい。場面の中心人物以外もぼそぼそ喋っていることで一層そう感じるのだろうか。社内政治や刻一刻と変わる状況と対峙しながら「チェック、ダブルチェック」を貫く記者のプライドが良かった。

主演の堤真一はもちろんのこと、駆けずり回る堺雅人、壊れていく滝藤賢一、たくましい尾野真千子、柔和ながらブレないでんでん、山で頼りの小澤征悦……などなど、それぞれの演技が光っていた。名前がわからない俳優さんも何人かとても良かった。
ただ、登場人物それぞれが立っていたわりに関係性はなんとなく想像するばかりだったので、欲を言えばもう少し描写が欲しかった。

紙だらけのオフィス、煙草すぱすぱ、各種ハラスメント、密集して言い争う社員たち、ガタンと動くセダン車…と一昔前の昭和っぽい光景を今でも見知った俳優陣で味わえるのもなんだか良かった。