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クライマーズ・ハイのOBのレビュー・感想・評価

クライマーズ・ハイ(2008年製作の映画)
4.5
時節柄、何年か振りの鑑賞。やはり邦画史に残るべき素晴らしい作品だった。

1985年8月12日。日航機123便は群馬県の山中に墜落。この世界最悪の飛行機事故を巡り、群馬の地方紙記者達が記者魂をかけて取材を敢行していく。。

・世界観の作り込みが凄い。
いわゆる昭和の会社組織の描写が半端なく面白い。当時はコンプライアンスのコの字もなかった時代。怒鳴り合い、というより喧嘩が日常茶飯事の熱い職場が面白く展開されていく。
スマホやSNSのない時代の苦労や、が故のたくましさが眩しく描かれる。

・綿密な脚本
記者同士、上司と部下、販売と編集のセリフのやり取りが絶妙。周到に仕込まれたセリフがあたかもアドリブかの如く丁々発止にやり取りされる様は痛快の一言。

・演じている役者さん達も熱演。
主役の堤真一は頼りがいのあるリーダー像を好演。他の役者陣も一癖も二癖もある役回りを楽しそう(笑)に演じている。しかしなんと言ってもリーダー記者役の堺雅人が素晴らしい。今も尚、彼のベストアクトと信じて疑わない。

この、ある意味乱暴な時代に行きたいかと言われれば正直微妙だが、あの熱さと一途さには一種の憧れを感じる。

中国や韓国の現場が今あの状況なのだとしたら、、絶対に勝てない。。。
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