このレビューはネタバレを含みます
北朝鮮による横田めぐみさん誘拐と我が国の無関心、拉致被害者家族の抵抗を描いた映画。原作の舞台劇感を残し撮っているのはご家族の悲しみを慮ってのことではないか。正視できないリアルは小松政夫演じる社員拉致事件が心と身体を張って生々しく伝える「めぐみへの誓い」シネ・リーブル神戸25日迄。
上映直前に「きまじめ楽隊のぼんやり戦争」の予告編が流れた。豪華な俳優陣。知りもしない相手を恐れすぎ攻撃をするな戦争反対!なメッセージが込められたそれは「めぐみへの誓い」鑑賞後とても陳腐にそして少し腹立たしく感じた。冒頭の懸命に署名運動やビラ配りをする家族や協力者に「差別だ!」と暴言を吐くふたりは「親北」を貫いてきたかつての日本社会党や今の偽リベラルたちの代弁者だ。大鶴義丹演じる北朝鮮工作員が平然と日本人を殴りつけ朝鮮の地で孤独な日本人被害者が屈服するまでウソを何度も吹き込むシーンが恐ろしかった。日本語教育者として拉致された田口八重子さんが日本に残した家族を思って苦しむシーンのリアリティ。この現実に対して無力なことがくやしくて辛い。