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トリュフォーの思春期のkoyaのレビュー・感想・評価

トリュフォーの思春期(1976年製作の映画)
5.0
私が高校生の時、名画座(多分八重洲スター座)で観て大好きだった映画。40年ぶりくらいに観ました。
結構、内容、覚えているものですね。
原題は「おこずかい」という意味。

思春期というより、小学生たちのあれこれを綴ったノートのような映画。
TOHOシネマズの午前10時の映画祭でも、上映された映画です。
主人公は一応、パトリックという少年だけれども、他にもいろいろな子供や大人のエピソードが出てきます。
『フェリーニのアマルコルド』と同じですね。

トリュフォー監督は子供時代が不幸で、少年院に入っていた事もあるから、この映画で言うと児童虐待家族のジュリアンかもしれませんが、子供が産まれたばかりの男の先生もまだ生徒が小学生であっても子供たちにむかって、熱弁をふるう。子供には選挙権がないから、親を選ぶ事ができず、自力で不幸から脱出することができない、とまだ小さい小学生たちを子供扱いしないで語る。
とてもいい先生なんです。

悪ガキはいても、険悪ないじめとかはないけれど、拳銃持ってたりとかね、結構びっくりするところがあります。
一番好きなのは、パトリックは同級生の美容師のきれいなお母さんが好きで、慕っているというか、恋しているというか・・・花屋で赤いバラを買ってイソイソと持っていくところなんか、日本の小学生にはない感覚ですよね。
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