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総理の夫のKUBOのレビュー・感想・評価

総理の夫(2021年製作の映画)
4.0
今日は『総理の夫』を完成披露試写会にて鑑賞。

上映前の舞台挨拶がおもしろい、おもしろい! 田中圭の独壇場ですな。中谷美紀や貫地谷しほりをいじり、いじられ、本編中とはまた違う関係がとても楽しい、サービス満点の舞台挨拶!

もうひとつおもしろかったのは原久郎役の岸部一徳。「腹黒い政治家役でしたが、実際の政治家に比べたらいい奴かもしれません」と今の政治をチクリ。

さて本編は、予告編にもある通り、突然妻が総理大臣になってしまった男が巻き込まれる政界ドタバタコメディ。

監督の河合勇人さん曰く、ほぼ田中圭あてがきの総理の夫「日和くん」は、これぞ田中圭という「巻き込まれ方、頼りないけどいい奴」。ファンが田中圭に期待している田中圭像を突き詰めたようなキャラ。

それに対して、これもあてがきだそうだが、中谷美紀演じる総理「凛子ちゃん」の凛々しいこと、凛々しいこと! 頼りな〜い日和くんはペットなのかしら(?)とも思ったが、日々闘う人には、こんな純粋すぎるパートナーが必要なのかも、と考え直した。

「日本初の女性総理」というインパクト抜群の設定で始まるが、本作で凛子ちゃんが直面する問題は、なにも「総理」に限ったことじゃない。立場は違えど働く女性なら同じような目を会社や社会から向けられる筈だ。そういう意味では、本作は広く「働く女性」が共感できる作品になっている。

また凛子ちゃんが国民に向けて演説する言葉のひとつひとつになんか感動しちゃう。だってちゃんと言葉が生きてるし、思いが詰まってるんだもん! 

死んだ目で原稿を棒読みする総理に慣れてしまってる我々には、それだけで眩しい。野党も怖い顔して批判するばかりじゃなく、笑顔で夢を語ってくれた方がリーダー像として応援したくなるんじゃないかなぁ。

『キネマの神様』に続いての『総理の夫』の映画化。原田マハ、キテるねー!

もう「凛子ちゃん」と「日和くん」の周りではいろんなことが起きて、ほぼほぼ日和くんはオタオタするばかりで何もしないんだけど、最後の最後に男らしいところを見せちゃうところも「ザ・田中圭」!

コメディでありながら、「政治」も「働く女性」の問題もテーマに盛り込んだ『総理の夫』。笑って、笑って、最後は感動してじ〜んとくる。絶対おもしろいよ!



*現在、自民党総裁選にも女性候補が名乗りを上げており、徐々にではあるが日本でもガラスの天井が破られる日も近いか(?)とも思うが、ただ、今名前が上がってる人たちじゃね〜。女性なら誰でもいいってわけじゃない。

*ラストについてのネタバレ意見はコメント欄で
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