Naoya

ある人質 生還までの398日のNaoyaのレビュー・感想・評価

ある人質 生還までの398日(2019年製作の映画)
2.7
怪我のため体操選手の道を諦めた男は、夢だった写真家に転身。戦争の中の日常を撮影するため、シリアの非戦闘地域を訪れるが、過激派組織に誘拐されてしまう。実話に基づくサスペンス・ドラマ作。緊迫感が持続し、結果として生還する未来は理解していても、いつ殺されるか、何が引き金になるか分からない恐怖感、何もできず従うしかない虚無感や憤りのある内容は凄まじい。拷問の場面は少ないながら、日に日にやつれていく男から惨たらしさは色濃く伝わる。人質側だけでなく、解放に向けて動く家族の想いや信念、テロリストとは交渉しないデンマーク政府の方針がネックになっていたりと、リアリティのある展開作りになっていて飽きさせない物語。ある一つの物語が中心にあるが、枝分かれする数々の物語があり、闇の深さは感慨深い。
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