ベンジャミンサムナー

ある人質 生還までの398日のベンジャミンサムナーのレビュー・感想・評価

ある人質 生還までの398日(2019年製作の映画)
4.0
 138分もあるが、ダニエルのいつまで過酷な監禁生活が続くのか分からない状態と、彼がそんな状態なのに高額な身代金を用意できるまで見てる事しかできない家族の精神的負荷を少しでも観客に体感させるためのこの長尺なのだろう。

 ラストはサラッと救出されるが、ただ主人公が助かってめでたしめでたしという話ではなくて、各国の対応によって助かるジャーナリストとそうでない者の差を浮き彫りにする物語になっている。

 ダニエル達ジャーナリストがISにひたすら酷い目に合わされていくが、アレクセイ(コソボのジャーナリスト)を射殺する時に躊躇する素振りを見せる事で、ISもあくまで"人間"である事を描こうとしてるのか。(それともダニエル本人がその瞬間を目撃した時に実際にそういう素振りを見せたのだろうか?)