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ある人質 生還までの398日のoliveのレビュー・感想・評価

ある人質 生還までの398日(2019年製作の映画)
4.0
体操選手がケガで挫折し、平凡で退屈な人生なんてつまらないと思っていた一人の青年、さして強い使命感があるわけでもなく写真家見習いとして紛争の最前線ではないはずの場所で写真を撮っていただけ。
説明もなく弁解もさせてもらえずいきなり人質となってしまう。政府が決めたことを個人が背負うのか?国が行ったことに対して個人が復習されるのか、個人の為に政府は何もしてくれないのか?
実際日本でも人質になった人がいた、危険な所に自らが赴いたのだから自己責任だ、税金を使う必要はないという声が多く聞かれた。本当の所はよくわからない、よくわからないのに空気が個人を責めるような方向に向かったことはショックだった。国によって個人の命の重さは随分と違うのだなぁと思った。フランス等は何より人命が第一、どういう理由があったにせよ個人を守る方向だったと思う。
ダニエルはたまたま金額に折り合いがついて助かった、多くの人は犠牲となった。
観終わってただただやりきれない、個人の無力さをこれでもかと思い知らされる。
愛国とか国の為に何をなすべきとか言われるけれど国が個人に何をしてくれるのだろう?
国家と個人…。
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