このレビューはネタバレを含みます
続編としては完璧な脚本だと思う。もちろんアラはたくさんあるのだけど、1作目で観客が示した嫌悪感を見事に裏返し、もともと主人公が持っていたバックボーンや行動原理を元に、再構築して別な物語を作ってみせた。劇場を後にする時、若い客が「爺さん可哀想だった」って言ってて、夫婦して吹き出しそうになったけど、いや、それも分からんでもないってくらい、見事に印象を裏返してみせていて、非常に面白かった。
ちょっと敵キャラ（？）がやり過ぎな感もなくはない。
クスリの調合を1人しか知らず、代替手段がないというのもどうも説得力に欠けるし、そもそもその為に娘の命と引き換えに移植手術って、アイディアは面白いけど、飛躍しすぎる。ただ、その「臓器移植」という設定が、序盤に振られているのがなかなか上手くて、最初の襲撃はてっきり娘の臓器狙いだと思った。いや、結果的にそれは正しく、そこに帰結はするのだけど、単なる誘拐目的と思って見ていたので、二重に覆される予想が裏切られるのが楽しかった。
他にも、設定的に甘い所もないわけじゃないけど、1作目の超人的な爺さんのパフォーマンスを観たら、なんか納得して、お前らナメてんなよ？的な爺さん視点で観れてしまう。なので、1作目予習鑑賞はマスト。昨今ありがちな、パート2からでもOKという作りではないので、これからの方はご注意を。
しかしこれは、もしかしてパート3あるのか？ 娘の名前も不死鳥だし……。
