あおや

セブンのあおやのレビュー・感想・評価

セブン(1995年製作の映画)
4.2
【胸糞映画】の代表格、ついに鑑賞。

興奮?さめやらぬままレビューを書いているのものの、前評判通り、いやそれ以上に唖然呆然としてしまうような結末。まさに“言葉を失う”とはこのことである。

物語は七つの大罪に見立てた連続猟奇殺人を、退職間際の老練刑事サマセットと若く血の気の多いミルズの対照的なバディが追いかける構成。強烈な残虐性と緻密に計算された一連の事件は、まるで殺人を楽しむかのように二人を嘲笑う。そんな異常者(サイコパス)との駆け引き、少しずつ犯人に近づいていく捜査模様はクライムサスペンスとして超一級品である。作品全体を纏う陰鬱な緊張感、特に後半の車中シーンからラストまでは記憶にこびりつくような衝撃を覚える。

モーガン・フリーマンはどこか優しさを内包した深みのあるベテランをやらせれば右に出る者はいないのではないか。そしてケビン・スペイシー。語らずとも強烈に印象着くあの無機質な目がなんとも形容しがたい。本作のすぐ後に出演している『ユージュアルサツペクツ』での“カイザー・ソゼ”の印象が強いが、よくもまあ凄まじい役柄を連続で演じられるものだ。若きブラピも含め、三者適役のぴったりなキャラクター。素晴らしい配役と演技にあっぱれである。

“無関心が 美徳であるような世の中はうんざりだ”
“人生に立ち向かうより 麻薬に溺れた方が楽だ”
“稼ぐよりも盗む方が楽だ”
“子を育てるより殴る方がたやすい”
“愛は努力がいる”

様々な経験を通して語りかけるサマセットの言葉は、若きミルズへは伝わらない。
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