やっぱりオープニングのタイトルシーンは何度見ても格好いい。この映画を決定づけてます。
七つの大罪に重ね合わせたような連続殺人事件が発生、退職まで残りわずかなベテラン刑事と鼻息荒い新米刑事が犯人を追うことになっていくのですが、この犯人が一筋縄ではいかず警察を嘲笑うかのように犯行を繰り返していきます。やがて刑事たちは追い詰められていき、さてどうなるのか。
ベテラン刑事のサマセットは、一連の事件を病みきったこの世界の象徴だとして嘆きます。それに対して若くてタフガイなミルズ刑事は、こんなのはただの変態野郎のしわざだとして一蹴します。
対称的な2人ですが、言わずとしれたあの悪名高い衝撃のラストでどんな現実を突きつけられるのか。
どういった立場になっているのか。
いわゆる最低で最高！な完璧なラストです。
筆舌し難いおぞましい殺人事件が次々と起こるのですが、本作には直接的な残酷描写というものが実はほとんどありません。皆無と言ってもいいかもしれません。
それよりも姿を現さない犯人の異常性についていけずどんどん疲弊していく刑事たち、むしろその精神的に追い詰められていく姿に本作では焦点が絞られています。
そしてこの主人公たち同様観ているこちら側も得の知れぬ混乱と恐怖を感じていきながらラストに引きずり込まれてく、まさにサイコスリラー。
羊たちの沈黙に並ぶ傑作だと思います。
