オーウェン

セブンのオーウェンのレビュー・感想・評価

セブン(1995年製作の映画)
4.7
劇場で初めて見たときの衝撃は今でもはっきりと残っている。
ラストに呆然としてしまったあの余韻。
繰り返し見ても失われない驚きと、あらゆる細部が実に巧く出来ていることに気付く。

キリスト教の7つの大罪に沿って行われる殺人。
事件を調査するミルズとサマセット。それをあざ笑うかのように続くジョン・ドゥの人々に対する粛正。

目的や理由が無く単なる残虐な殺しではなく、この世に必要のない人間を抹殺していく。
それも大罪に絡まれて。
この7つは計算され尽くして行われており、鍵は最後に残る2つの大罪。
これが成立したときに驚愕の事実と、人間としての倫理を超える状況に直面する。

それにしても役者に監督に脚本。すべてがパーフェクトな出来で、サイコスリラーの中でも頂点に位置づけされる出来だろう。

すべてが絡み合った時に、ジョン・ドゥは姿を表す。
それまでの6日間陰鬱な雨で死んだような街が、7日目ジョン・ドゥの登場によって太陽が姿を現すのも偶然ではない。
やはりジョン・ドゥは神に選ばれた男なのか。
オーウェン

オーウェン