「ヘミングウェイが書いていた。この世は素晴らしい。戦う価値があると。後半の部分には賛成だ」
七つの大罪になぞらえた殺人事件が発生。定年を一週間後に控えたサマセット刑事(モーガン・フリーマン)と若手刑事のミルズ(ブラッド・ピット)がバディを組んで捜査に当たる。
冒頭の言葉は、「七つの大罪の完成」を目の当たりに見たサマセットが、ヘミングウェイの「誰がために鐘は鳴る」の文言を引用しながら吐く台詞である。
戦う価値はあるかもしれないが、この世が素晴らしいなんて思わない。
単純に噛み砕けば、そんな解釈になるだろうか。
こんな世界に生きていたら、嫌でもそんな考えになるだろう。
しかし、悔しいが、面白い。
後味の悪さと脚本の完成度において、他の追随を許さない作品である。