塩犬

セブンの塩犬のレビュー・感想・評価

セブン(1995年製作の映画)
3.5
馬鹿馬鹿しい程に純粋な殺意。
七つの大罪を元に起こる殺人は悲惨で衝撃的だ。しかし、この作品の1番感じて欲しいところはそこではなく、無責任で無関心な現代社会を歪ませることなく誠実に描いているところだ。
犯人の思うところは理解に値するが、共感は出来ないし犯行に至ったことを褒め称えることも出来ない。それこそ人としての間違いだと感じるからだ。しかし、この犯人こそ1番に現代社会に関心を持ち、変えようと足掻いた存在なのではないかと思うと救いのないストーリーだ。もちろん、端的に見たストーリーとしても救いはなく、完全に犯人の手中で踊らされ、犯人の思惑通りのラストを迎える。
各役者陣も名演際立つ作品。モーガン・フリーマンのどこか社会を諦めてしまった枯れた男、ブラッド・ピットの激昂しやすくまだまだ青い男。2人は対称的でありながら、どこか根本は似ている。
OPからEDにかけて演出も綺麗に整っているがどこか淡々としているため熱っぽくは見れなかった。
塩犬

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