ぶみ

セブンのぶみのレビュー・感想・評価

セブン(1995年製作の映画)
4.5
デヴィッド・フィンチャー監督、ブラッド・ピット、モーガン・フリーマン共演のクライム・サスペンス。
ピット演じる若手刑事と、フリーマン演じる退職間近のベテラン刑事が、七つの大罪になぞらえた猟奇殺人事件を追う姿を描く。
何年振りかの再鑑賞。
意味深なオープニングクレジットに始まり、殆どのシーンで雨が降っている大都会、要所要所で印象的な緑色と、終始陰鬱な雰囲気で貫かれる映像と、それに呼応した音楽は、今見ても隙がない。
そのため、今から二十年以上前の作品でありながら、登場する黒電話をスマートフォンに、大きなPCをタブレットに置き換えさえすれば、最新作といっても違和感がないほどのクオリティを感じさせてくれる。
七つの大罪をモチーフに事件が起きていくが、私のように、そういったことに全く疎かったとしても、純粋なクライム・サスペンスとして十分楽しめる内容であり、次に何が起こるのだろうかと、あたかも自分も現場にいるかのような緊張感が常に走る。
特に、陰湿な雰囲気から一転、ラストの舞台となる、乾いた荒野、高圧線、ヘリからの空撮が入り混じるシーンは、結末を知りながらも遠くから一台のバンが走ってくるだけで、手に汗握ってしまう。
若手とベテラン刑事によるバディものとしても完成度が高く、ラストにおける二人の演技は、その衝撃度とともに映画史に刻まれるに値するもの。
独特の世界観を見せてくれる完成度の高さは色褪せることなく、様々な解釈ができる哲学的なテーマを含みながらも、誰もが楽しむことができる名作。

Gluttony , Greed , Sloth , Lust , Pride , Envy , Wrath

「7つの大罪」は7人の死で完成する。

〜Se7en〜
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