名作中の名作。久々に鑑賞しました。
若手刑事のブラピと退職間近の刑事モーガン・フリーマンのコンビが、不可解な事件の真相を追及していく物語です。
初見時の雷に打たれたような衝撃は薄れてしまいましたが、フィンチャー節が炸裂している薄暗い映像と秀逸な脚本によって出来上がる上質なサスペンスはいつ観ても凄い。
今回の新たな発見は、追走劇のクオリティーの高さ。螺旋階段やビルの梯子を使った巧みな演出と緊迫した音楽の融合は拍手喝采もの。有名なラスト20分は勿論、この追走シーンも多くの人々に観て欲しいです。
本作の影の主役であるケヴィン・スペイシーの役どころは、鑑賞から何年経とうが何回観ようが観る者に言い知れぬ恐怖をじわじわと与えてきます。瞬きしてますか?と聞きたくなる程の鋭い視線と不気味な笑顔、あの独特な口調が忘れられないです。
フィンチャーのお陰で苦手だったサスペンス映画を観るのが好きになりました。観客の期待を良い意味で裏切りつつも心を離さない彼の新作が待ち遠しいです。