過去鑑賞です。ようやく書けました。
退職を間近に控えたベテラン刑事サマセットと若手刑事ミルズは猟奇連続殺人事件の捜査にあたる。犯人はキリスト教における7つの大罪に基づいて殺人を繰り返していることが明らかに。やがてサマセットとミルズは容疑者を割り出すが、その人物に逃げられ、さらにミルズの素性が知られていたことも発覚する。そしてさらなる殺人事件が続いた後、驚愕の事態が……。
僕は一生この映画を忘れないでしょう。
それほど素晴らしい、自分にとって大切な作品です。
・キャラクターについて
ミルズの家族とのシーンやサマセットとのお互いのオフの場面や交流も描く事でそのキャラクター像がハッキリするし、興味を持つことができる。
そして犯人はとても賢く、強く、恐ろしい。底知れない。尚且つ犯人役について深く掘り下げないことで、「彼が何者なのか分からない」「何が彼を殺人鬼へと変化させたのか」という恐怖、謂わば非常に理不尽な恐怖に良い意味で落ち着かない。急に激昂するのではないか、何か仕込んでいるのではないか、という緊張感の表現が素晴らしい。
キャラクターの描き方は実に見事でした。
・ストーリーについて
7つの大罪をベースに行われる犯罪で、ある程度予測出来るかと思いきや、次から次へと意外な展開が。映画を通して終始何が起こるか分からなかった。解決への流れもテンポも丁度良かった。
その状況で最後のシーン。心を揺さぶられた。あの箱の中身をあえて描かないことで想像の余地を残している。巧いですね。
演技も最高。特にクライマックス。あの表情は出ない…。心の声が聞こえてくるようでした。
雨の設定も効いている。この映画は雨でなければ。サマセットの厭世的な心の中を映し出しているようだった。
この映画の最も凄い所は、見終わった後も心を掴まれっぱなしな所。これが本当の映画体験なんだと思い知らされた。
本当に凄い作品です。人生で一度は鑑賞される事を強くお勧めします。
