ふうま

セブンのふうまのネタバレレビュー・内容・結末

セブン(1995年製作の映画)
4.6

このレビューはネタバレを含みます

高校1年か2年の時に見て以来数年ぶりに見た。なんとなく、その時あんまり面白くなかった印象があったからなんとなく避けてたので、時間もあるしてことで見返しました。
こんなに面白かったっけ?てぐらい面白かった。高校の時はあんまり、会話のミステリーをしっかりと頭で整理できてなかったんじゃないかと思う。犯罪の仕方が物凄く計算されてるなと思いました。手がかりを少しずつ辿っていき、進んではまた新たな殺人に出会すというサスペンスの基礎なんだけど、これが物凄く完璧。テンポも謎も興味を引いていくのも全部が完璧なバランスで絶妙。物凄く引き込まれた。ジョンの猟奇殺人が本当に緻密で今まで見た事件で1番面白い事件だと思いました。
ここから自分なりのこの映画のテーマについての考察を書こうと思います。直後書いててあんまりまとまってないし、端折って書くので読みにくいです。
結論からゆうと"腐りきった世の中にどう向き合うか?"だと思いました。犯人のジョンとサマセットは実は表と裏で似ているが異なるものだと思います。まず、どちらも全ての人間が罪を犯す、その人間で作られる世の中は最低最悪だと考えている点で同じです。しかし、サマセットはそれ故に、犯人を捕まえたって世の中の小さな悪がまた少しずつどこかに蓄積し、また犯罪が起こる。犯罪の元は世の中、それを作る人間にあると悟り、淡々と事件をまとめていく、犯人を捕まえる事には執着をした所で焼石に水だとし、ある意味犯罪を災害のように割り切り無関心でいるという選択をしました。対して、ジョンはそんな世の中に対して、罪人を、すなわち全ての人間に対して罪の意識を認識させると同時に見せしめを行い、説教としたのだと思いました。つまり、2人は同じ帰路に立ち、別の選択をしたのだと思いました。
だから、ミルズというまだ若い、全ての悪と戦おうとする者に対してジョンは感心し、ミルズに自分を殺させた。また、サマセットはミルズをうぶだと言ったと思いました。しかし、サマセットはミルズとトレイシーという若い希望に溢れる夫婦を見て、少しずつ変わり、この事件の犯人を捕まえる事に意欲を出した。しかし、この夫婦は最悪の結末を迎えてしまう。よって、サマセットはこれまでの無関心のままでは、希望ある人が犠牲になっているという事に気づいたんだと思いました。これらから、ラストシーンの言葉はそんな希望ある人を犠牲にしない為に戦うことを選んだという事だと考えました。
ほんとに良かったんだけど、少しだけモヤっとするところがありました。まず、トレイシーが子供を産むつもりだったのかどうか。サマセットとの話から産むかどうかの選択があり、この内容だとミルズに伝える前に殺されたのか、伝えないつもりだったのかが分からないのがなんか個人的には良くないと思いました。あと、あれだけ完璧な7つの大罪に対する罰を与えていくジョンがステイシーを殺した事。あれだけ完璧な殺人を犯していったのに、憤怒のミルズは生きたままだし、トレイシーを死なせるのは綺麗になってないと思ってしまう。ああする事で、ミルズがこの先、より悪を罰する狂気に陥り、ある意味ジョンと同じような事をする様になってしまうのではないか?みたいな考察を残せるかもしれないんだけど、あの犯罪の完璧さを思うと少し残念と思ってしまうが、まあ完璧だと思いました。
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