らくだ

セブンのらくだのレビュー・感想・評価

セブン(1995年製作の映画)
4.0
キリスト教の「七つの大罪」は昔から今でもなお創作界隈で広く使われてるモチーフだと思うんですけど、ここまでえげつない使われ方してるのってなかなかない気がします。とにかくこの事件の現場がえげつなく気持ち悪くて、それを映す画面にも独特の臭気と湿り気が充満しています。絶対こんな死に方したくない…あまりにもひどい…

この作品は登場人物の候補の中から「犯人は誰だ?」と探っていく作品ではなく「こんなヤバいことをした奴はいったいどんな人間なんだ?」という正体を探っていくタイプで、主人公のサマセットとミルズが曲者ながら非常に有能なせいで、しっかりと犯人を追い詰めることが出来てそれゆえに踏み込んだらヤバイ領域に足を踏み入れてしまう、その「受身」によるものではなく「前進」によるドキドキ感が味わえるサスペンスです。でした。
サマセットとミルズのデコボコで得意分野の違うバディ感もとても良くておススメなんですけど、「バディ感がオススメだから観て!」って言いづらい作品ですね…(性格の悪いお話なので)


そしてこの映画を観た人が思わず口を揃えて言ってしまうことだと思うんですけど、ラストシーンの精神的なグロテスクさがすごすぎるんですよね…あんなところに着地させるの、完全に脚本に人間の心がない…一度観たことがあって再視聴したのにあまりにも人間の心がなさすぎて狼狽えてしまった…
しかもそこで実行してもしなくてもそれが犯人の思い通りになるって、仕組みが完璧すぎる。どうしてこんなことに…
らくだ

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