Gatt

この茫漠たる荒野でのGattのレビュー・感想・評価

この茫漠たる荒野で(2020年製作の映画)
4.0
ストーリーとして、とても良かった。
決して目新しい展開な訳ではないのだけれど、偶然に出会った2人の旅物語。時代的に南北戦争後で、荒れた南部の姿が垣間見える西部劇風な雰囲気もあるけれど、殺伐とした中で冴えるヒューマンドラマでした。

大好きな「キャプテン・フィリップス」以来のトム・ハンクス&ポール・グリーングラス監督とのタッグ!あんな鬼気迫る作品ではないけれど、トム・ハンクス安定の、父的ミッション演技は、心地良い。
ヘレナ・ツェンゲルは、可愛気こそないがw、野生児さと繊細な表情とを使いこなすなかなかの強者。この子は本国ドイツでもだいぶ有名ならしく、ちょっと別のも見てみたくなりました。

退役軍人とはいえ、トム・ハンクスの仕事は人を集めて「他の土地のニュースを読み聞かせる」事。文字も読めない人の為や、新しい価値観を知らせる為でもあり、面白い仕事だなと思いました。それで旅をしちゃうんですから。

土地の争いの結果、ネイティブアメリカンとして生活するようになった白人の存在や、他の人種に「首を掻き切られないように」銃で虚勢を張る白人支配層とか、またアメリカの複雑な合衆国のルーツを見た。
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