イベリー子豚

DIVOC-12のイベリー子豚のレビュー・感想・評価

DIVOC-12(2021年製作の映画)
3.7
奇しくも同時期にコロナに関連した
コンセプト・オムニバス作品が公開。
いや、必然ですかね。

『MIRRORLIAR FILMS』が雑多でノージャンル、
何でもありの「商店街」だとしたら
こちらは一定グレードの統一性がある
「百貨店」のイメージ。


どうやら上映順に
「共有」「感触」「成長への気づき」の
3つのグループ×4作品で構成されてるらしいです。

確かになんとなくニュアンスは伝わりますが……

僕、個人の感想で言えばこちら作品集、
7/12本が「ストーリーは一応あるけど抽象的で
感覚的なエモーショナル先行」タイプで
「起承転結・エンタメ」作品の割合が少なく
かなり偏ってる気がします。


それぞれ個別でみると

①睡眠倶楽部のすすめ→2.9
まずマッシュルームショートで
輪郭丸出しあっちゃんが『花君イケパラ2021』の
悪夢・ハマダー再び。
あっちゃんの魅力は笑顔と激おこ顔なのに
一貫して無表情とはこれいかに……

とりあえず「画」がゲシュタルトしてるから
内容は入ってきません。

②YEN →3.5
ストーリーはありきたりだけど
ポラロイドを意識したスクリーンサイズと採光、
蒔田彩珠ちゃん、中村守里ちゃん二人の
空気感だけでもうよき。センシティブ。

③海にそらごと →3.5
かなりシンプルでミニマム。
サンセット・オーシャンビューで
タバコを吸う中村ゆりさんがとにかく美しい。
関係ないけど子役の高田万作くんが
「綾野剛の少年時代」すぎ。

④よろこびのうた Ode to Joy →3.2
んーん……この辺りから雲行きがあやしい。
藤原季節くんの色気はダダ漏れ。
ただし、使用方法はこれであっているのか……??

⑤あこがれマガジン→3.5
再三申し上げそうろう、ですが
やはり横田真悠ちゃんですよ間違いない。
仕草と表情がもう「モデル女優」のステージじゃないのよ。

⑥魔女のニーナ→3.3
なななじゃこりゃ??かなり異色。
既視感の主演は『知ってるワイフ』の銀行員のコ。
完全にEテレ。掌の出血だけ不穏。
監督は上田さんの奥さんなんですって。

⑦死霊軍団 怒りのDIY →4.3
タイトル殺し。サイコウ・3150・最高。
とにかく『白黒パンダ』で消化不良だった
清野菜名さんが小宇宙を燃やして
「DON'T THINK ,FEEL !」する
超絶怒涛のウルトラC。
高橋文哉くんも激アツ。
「お楽しみはこれからだ!」を体現してます。

⑧ユメミの半生 →4.6
「映画(ミニシアター)が好きな
僕たちのための短編」。   
モノクロ活動写真から無声映画、トーキー、
カラーと映画の歴史を辿る旅。
しょうもなさ過ぎるパロディも愛らしい。
CMでも流れた「今はここまで。」が胸にくる。
なにより松本穂香ちゃんが最強。やっぱauだね。

⑨流民 →3.6
これはかなり渋カッコわけわかんない。
石橋静河さんを堪能するための時間。
メタファー的要素が多く
別にホラーとかじゃないけど
『ライトハウス』っぽい。

⑩タイクーン →3.2
タイトル通りなんかチャイニーズでエスニック。
面白いとかじゃなくオシャレ。
髭のない窪塚洋介さんはやっぱカッケーのよ。

⑪ココ →3.6
なんだかんだ、唯一直接コロナを感じる。
笠松将さんは在日韓国人設定らしい。
「惚れたら幸せになれないセクシーさ」がもう。
最後の一文でズッコケる。

⑫名もなき一篇・アンナ →3.7
ダントツで映像が美しい。
ポエムじゃなくてオペラの荘厳さと静謐感。
別に唄ってないけど。
「コロナ以前の日常=アンナ=中国のガッキー」
的対話・対比篇。
ストーリーではなく肌で感じる作品。


……というような感想でした。

やはり似たエッセンス、そもそも本数が多いという
構成が疲労と眠気を誘いますが
エンドロールの『希望論』がこれまた
めちゃんこカッコよくて目が覚めました。


あと全然、話が変わるんですが
先日のキング・オブ・コントのアバン映像が
「なんかオシャレだなぁ」と思ったら
アナタ!今泉力哉て!!
やっぱお笑い好きなんですねぇ~笑