このレビューはネタバレを含みます
ナチスのよるユダヤ人大量虐殺から逃れ生き延びてきたと思われる
一人のイタリアの女性マダム・ローザとセネガルから3歳でイタリアへ、
その後、母親が病死と、悲しい過去を持つモモ。
モモの母親を診ていた医師の頼みでマダム・ローサを預かることに。
初めはマダム・ローサや周りの人に反発し、反抗的な態度に。
麻薬の売人までしていたモモ。
きっと今まで恵まれた生活を送ってきたとは思えないモモ。
移民として、辛い体験もあって到底大人を信じることは出来ないって感じ
の子供。
学校でいじめっ子の首にペンを突き刺してケガをさせたモモ。
モモを雇ってくれている店主がモモに
「言葉は最大の武器だ、友達の首にペンを突き刺す必要などない」と
諭す場面が印象に残っています。
どんな時も暴力はいけない。感情だけで行動していけない。
何も、親だけが子供を育てるのでは無くて、周りの人や環境も
大きく影響するのだと思います。
だんだん記憶が薄れてぼんやりするマダム・ローサの為に、
モモは、変わっていきます。
だんだんと少しずつお互いの悲しみを埋めるように。
何と言ってもマダム・ローサを演じるソフィア・ローレンが素晴らしい。
とても86歳とは思えない表現力。
過去に大きな苦しみと悲しみを背負っていきている女性を
見事に演じ切っていました。
あの映画「ひまわり」で夫を振り切り涙ながらに列車に飛び乗るシーン
が鮮やかに蘇りました。もうさすがとしか言いようがありません。
また、モモを演じるイブラハム・ゲイェ君も初めはギラギラした目つき
だったけれど、最後にはマダム・ローサを支える優しい目になっていました。
何と、監督はソフィア・ローレンの息子エドアルド・ポンティさんだそうです。親子ならではの見えない優しさを感じる映画でした。
この映画はリメイクだそうで、前作はシモーヌ・シニョレさんが
主演されていたそうです。名女優の演技も観てみたいものです。