このレビューはネタバレを含みます
愛とミモザ。そしてライオン。
事前情報ありきで鑑賞しないとなかなか登場人物や時代背景が伝わりづらいため、感情移入しづらい部分がある。
展開が少し急なので、いつの間にそこまで関係性が出来上がってたの?と少しつまずく。
人と人との繋がりがテーマにあるはずだから細かい部分だが繊細に描かれていた方が良かったなといった印象。
それでもモモとマダム・ローザの愛が素敵な事には変わりはない。
何があっても病院では死にたくない。というマダムの願いを叶える為にこっそり病院から抜け出す2人。
平和な港街の風景を後に2人だけの世界に浸る。
マダムの想い出の花であるミモザをプレゼントするモモ。
造花であってもマダムにとっては生花を超えた愛の想い出になったに違いない。
『コーランでライオンは強さと忍耐と信仰の象徴だ。信仰心はあるね?信仰は愛だ。』
アミリの言葉だ。
その後、モモにしか見えないライオンが現れる。
個人的な解釈だが、これはモモ自身の心の成長が具現化されたものだろう。
少しずつ関係を深めていく事であらゆる問題や悩みにぶつかっていくが、愛の力を持って時には耐えてそして強くなっていった。心の変化に思える。
肉親こそ居ないが、それでもマダムをはじめとする側に居てくれた大人たちから愛を注がれたモモ。
モモはライオンに微笑んでいた。
これからの人生きっと大丈夫だろう。