12分の短編だけど、中身はずっしりと重い。
昨今頻発している実際の事件を元に製作されたようだが、そのショッキングな事実以上に、至る所に残された痕跡から、残された者に甦る感情の描写で泣かせる。
本編中で効果のように現れる影たちが何なのか、観ていくうちに自然と飲み込めてくる演出も秀逸。
キャラクターの造形などは、日本のアニメの影響、井上俊之さんとかあの辺の感じの印象がある。敢えてアンチのかかってないジャギった描線で、ささくれ立ったような処理も加えつつ、しかし絵柄は丸く柔らかく、と不思議な雰囲気の画面。
2021年アカデミー賞の短編アニメーション賞にノミネートされているらしい。