すとんこ

おもいで写眞のすとんこのレビュー・感想・評価

おもいで写眞(2021年製作の映画)
3.0
団地暮らしの寂しい老人たちが写真の被写体になることによって、ただ漫然と過ごしていた日々に彩りを添えることになっていくって話☆

それは老人たちだけではなく、東京に馴染めず地元富山に帰って来た主人公も同様に変化をもたらされる。

と、ここまでは典型的なヒューマンドラマのように感じるかもしれませんが、ある一点においてこちらの感情移入を著しく阻害してくる要素が加味されています。それは主人公の性格設定です。幼少時の複雑な生活環境のために他人の嘘が一切許せない性格になってしまい、そのため過去に幼馴染と大喧嘩したり、29歳という年になっても老人の嘘が発覚するやいなや、車で遠い地に連れてきた老人を置き去りにするというサイコパス行動を取ったりします。なんなん。ヤバいでしょ?

しかし、実力派俳優たちの力で物語はそれなりに最後まで観れますし、割と身近な富山という舞台も個人的に好感が持てた。
また、“遺影用の写真”という目的から“思い出の写真”という名目を得ることによって大きく印象が変わるし、素敵になるなと実感。その辺は評価に値する。

鑑賞中、わたくしの“思い出写真”は何処で撮ろうかな、なんてボンヤリ考えちゃった一本(完全に術中に嵌ってますね♪)(^o^)☆
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